マンガンズと行くローカル見仏 都会の仏様(大須界隈)

ローカル見物 都会の仏様(大須界隈)

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あらすじ

見仏は雨降らず。またまた御仏のご加護。

本日、ローカル見仏その3として、大須界隈の都会の仏像を巡ろうということで、天気も危ぶまれる中での急遽開催となったが、気づいたら真っ青な青空と心地よい風。絶好の見仏日和である。

今回、ヨメが仕事のため不参加。そのかわり新メンバーの仏友Aちんが初参加。
仏友Qくんとともに、新生マンガンズのおっさん三人でれっつらどん。

東別院会館にあるcafe bar LiDoに12時集合。

少し遅れて到着すると、東寺Tシャツを着たQくんと東大寺Tシャツを着たAちんの姿が。
そして自分も東寺Tシャツに着替える。

ほぼおそろいのTシャツ(しかも仏教色満点)を着たおっさんたちは、傍から見たらどう映っていたのだろうか。

そんなことは気にせずに、とりあえずランチを食べながら本日の見仏予定を確認。

今回の見仏プランは、大須界隈を中心に「都会の仏像」を巡る。

まずは、東本願寺名古屋別院からスタート。

別名「東別院」。

山門入口前で、日本ダービー予想中の怪しげなおっさんにお願いして、記念写真をパチリ。

創建年は1690年(元禄3年)と新しく、戦火による焼失などの歴史を経てもなお、その寺構えは立派である。
本堂内も広く、その中央には意外にもこじんまりとした阿弥陀如来立像が。浄土宗のそれにくらべきらびやかさが感じられないのは、「やはり真宗だから」とQくん。

そそくさと東本願寺を後にする。

次のお寺へ向かう途中、なんとなくそそられるお寺を発見。

崇覚寺というこのお寺、山門の脇には「招福霊獣キメラ」という、鳥らしき印象の不思議なオブジェがあった。そんなへんてこ寺の雰囲気とはうってかわって、境内はまるで都会のオアシス。緑が鬱蒼と茂り、心地よい涼しさを感じるヒーリングスポットである。

そして今回のお目当て、清涼山 栄国寺に到着。

江戸時代、この地は多くの切支丹教徒を処刑した場所で、尾張藩主徳川光友の命により刑死者の菩提寺として建てられたとされる。本家「TV見仏記9」では、(笑える)ポルターガイスト寺として、映像にも霊現象が収められている。

我々が訪れた時はちょうど法会の最中で大勢の檀家さんが本堂に集まっており、受付のおばちゃんにも「今日は本堂は見れない」といわれる。残念。

でも、「学生さんかね?」と聞かれたことがちょっぴり嬉しい。

せっかくなので切支丹博物館を見学していると、我々の仏教Tシャツをみて一般観光客ではないとみてくれたのか、もう一人の若いおばちゃんが「こちらから後ろにまわってご覧ください」と、本堂に案内された。
お経の鳴り響く中、我々は心躍る気持ちを抑えつつ、写真を撮りまくる。

ご本尊の阿弥陀如来は、名古屋最古の三大仏のひとつ「火伏の弥陀」として信仰があつく、名古屋空襲でもこの寺付近のみ被災を免れたという。鎌倉時代の仏師春日の作とされている。

本堂の後手には、釈迦如来涅槃像と微笑阿弥陀如来と呼ばれる阿弥陀如来半跏像が。この像の中には五臓があるらしい。

その隣の釈迦如来立像にも、喉のあたりに胎内仏と鈴が内臓されているらしい。
我々はそんな貴重な仏像たちに夢中になり、法会の方々には失礼だったかもしれないくらい盛り上がってしまった。

本堂を出て、また素晴らしい仏像を発見。釈迦の修行像とされるそのガリガリの姿は、修行の厳しさを語っているかのよう。
他のお堂にも、歴史を感じる仏像が多くあったが、お堂自体が倉庫のようになっており、もったいないと嘆いてしまうくらいであった。

栄国寺を出た我々が次に向かったのは、金剛山 長栄寺。

歩いて数分の距離にあり、尾張三十三観音霊場・第二番札所でもある。今回の見仏はこの尾張三十三所巡礼スタートという目的もある。

山門をくぐり、意外と広い境内には樹齢300年の「化け銀杏」の大木が。

本堂の扉が閉ざされていたので寺務所のチャイムを鳴らす。でてきたおばさんにご朱印をお願いしたところ、さすがは札所、なれた対応で、たぶん昼寝中であろう住職のもとへと持って行かれた。

ご朱印を書いてもらっている間に、おばさんが本堂内へと案内してくれた。

「大学生さんですか?」

「あ、はい…」

「どちらの大学?」

「あ、…名大です」

ただの仏像好きです、と説明するとあれこれ聞かれそうで面倒なので、ついつい嘘をついてしまった。

しかも仏様の前で。他の二人に目を向けると、笑いをこらえるのに必死であった。

ちょっとした罪悪感に苛まれながら、長栄寺をあとにした。

 
次のお寺へ向かうたった数百メートルの間にいくつもの小さなお寺がある。

このあたりは名古屋城と熱田神宮を結ぶ直線上にあり、だからなのかはわからないが、なにしろお寺が密集している。ちなみに、名古屋総鎮守である若宮八幡社もこのライン上にある。
そしてたいがいのお寺が徳川家とゆかりがある。

長栄寺から歩いて数分、稲園山 七寺に到着。

ここは大須の隠れた名寺である。

わくわくする気持ちを抑えながら初めて境内に足を踏みいれると、真言宗の象徴、大日如来像がどーんとおわす。乳首の形状がなんともすばらしい。

銅製の寛政年間(1789~)の作とされ傷みも激しく、修復された跡がまるで包帯のようで痛々しい。

寺務所で拝観料を払いご朱印もお願いすると、私服姿の若いお坊さんが我々を本堂に案内してくれた。

七寺と呼ばれる所以は、天平時代まで歴史をさかのぼり、尾張国中島郡萱津の地にあの行基により開山された正覚院に七堂伽藍が建立されたところから来たものとか。

いろいろな逸話を残し、慶長16年(1611年)に家康の命によりこの地に移転される。移転された当初は三重塔をはじめとする七堂伽藍の全てが再建されたが(現在の8倍の寺領が与えられたそう)、これまた太平洋戦争の戦火にあい、経蔵以外のすべての堂宇を焼失。

その戦火の中、当時の住職とお坊さんは二人でなんとか持ち運べる弥陀三尊の脇侍、観音菩薩勢至菩薩の2躰を救出。そして現在の本尊として祀られ、どちらも国の重要文化財の指定をうけている。

写真撮影は許可してもらえなかったが、間近で拝めた両像は歴史を感じる秀逸な仏像である。
平安後期作とされているが、玉眼が嵌入されるのは当時の仏像としては珍しかったのではないかと思う。慶派の初期の秀作だとお坊さんも言ってた。勢至の光背は化仏らの衣によって形成されているのも特徴的である。

しおりには、阿弥陀如来を中心とした迫力のある当時の内陣の写真があった。名古屋にもこんな立派な仏像があったかと思うと、悔やまれてならない。

また、通常だと阿弥陀如来からみて「左観音、右勢至」といわれるが、ここは逆。これは密教系の配置だそう。

お坊さんも、我々のマニアックな突っ込みに喜んでくれたのか、最初はぎこちなかった口調も次第に流暢になり、最後には

「よいお参りでした」

と我々を笑顔で見送ってくれた。

前回の奈良のときにも思ったが、お寺とは、建物の保全や仏像の保管をするだけではなく、そのお寺の寺伝や由来そして仏像について、わかりやすい言葉できちんと説明してこそ、お寺の存在意義があるのではないかと、つくづく思った。

そんなことをぼやきつつ、七寺の歴史に感慨深いものを感じながら、我々は次のお寺へ向かった。

大須といえば大須観音。

正式名称「北野山真福寺宝生院」、真言宗智山派の別格本山である。

尾張三十三観音霊場の第一番札所ということで、仁王門をくぐるやいなや、我々はまずご朱印を頂こうと観音堂右手の寺務所を訪れた。

境内の喧噪とは別世界のような静かさがあり、まどろみ中の猫たちも、突然の訪問者に訝しげなご様子。

若いお坊さんに声をかけ早速ご朱印をお願いする。今回から初参加の仏友Aちんも、大須観音オリジナルのかわいらしいご朱印帳を購入し、ここ大須観音からご朱印集めをスタート。

そしてようやく観音堂へ。

御本尊聖観世音菩薩は御開帳されておらず、閉ざされたお厨子の前には御前立が。
その両隣りには、弘法大師像不動明王像もある。

それにしても大須観音は常に人であふれかえっている。大須商店街を中心としたカオス化した大須独自の文化が老若男女に支持され続けている証拠だと思う。

気づいたらすでに15時をすぎていた。三時のおやつの時間です。

そして見仏といえばロールケーキ。

大須観音を出て、一般人の多さにこのTシャツ姿がなにげに恥ずかしくなり、人目をはばかるように路地裏を歩きながら、大須のロールケーキといえばここしかないと、NORTH ℃OFFEEを目指す。

が…、なんと閉店。

がっくり肩をおとしながら、他のCAFÉをあたるがことごとく失敗。
しかたがないので、若宮八幡の裏にある、Sora Café へ。

人気のカフェだけあって、ここもやはり満員。しかたなく我々もロハスなカンジのオサレっ娘たちに交じって待つことに。

ようやく席が空き、オサレカフェなのに三人ともビールを注文。

もうここまでくれば怖いものなしのマンガンズである。

昼間っからビールをかっくらい、心地よい酔い加減で疲労も解消。

なかばぐだぐだになりつつあるマンガンズ。
店を出て、

次の目的地である袋町の福生院まで本町通をふらふらと歩く。

丸の内ビジネス街のほぼど真ん中にある如意山 福生院に到着。

通称「袋町お聖天」とよばれるこのお寺の御本尊は大聖歓喜天大聖不動明王もおわす。

こぢんまりととした境内ではあるが、智恵技能仏手石縁結び金のわらじ福袋なで石など、アトラクションが充実している。
共通の知人にそっくりなお地蔵さんを見つけ、Qくんと大笑い。

 

と、今回の見仏はここで終了。

最後に、どうしてもロールケーキが食べたくて、明道町のお寺を改装したカフェ、i-café 妙真寺 を目指しタクることに。

閉店1時間前に到着するも、ケーキ系はすでに終了とのこと。
マンゴーのロールケーキ食べたかった。

さらに我々はロールケーキを求め明道町から円頓寺、国際センターまでの道のりを血眼になって捜すも見つからず。

今回は残念ながらロールケーキにはありつけず…

最後に辿り着いたROOM CAFE DUBLINでガトーショコラをむさぼる。歩き疲れた体には甘いものが一番である。

 

時刻は19時前。
本日の打ち上げ場所、名駅北のリーズナブルにイタリアンを楽しめるイタリア食堂GiGiへ移動。
その後ヨメも合流し、本日の報告となつかし話で盛り上がる。

 

次回の見仏は夏真っ盛りの7月。ということで、涼を求めて鳳来寺に決定。

マンガンズTシャツ、本気で作ろうかな。

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