いまさらながら「人をダメにするソファ」について。
「人をダメにするソファ」。なんつーキャッチコピーかと思う。「人をダメにする商品」であることを前面に打ち出している。今やヒット商品となっている「人をダメにするソファ」の代名詞といえば、無印良品の「体にフィットするソファ」である。もちろん「人をダメにするソファ」というキャッチコピーはオフィシャルではない。たぶん、2014年にはじめしゃちょーがYoutubeで「人をダメにするソファ」として紹介したのが世に浸透してしまったのではないかと推測する。
いまでは、無印良品や他の国内メーカーのみならず、海外からもあの「ヨギボー」が襲来。日本のソファ市場を「人をダメにするソファ」が席捲しているといっても過言ではない。そして、さまざまなキュレーションサイトでも「人をダメにするソファ おすすめランキング」と題したコンテンツが大量に量産されており、検索結果の上位を牛耳っている。アフィリエイターにとってはレッドオーシャンもいいところ。
ということはだ、日本人のダメ人間化が進行しているのである。
実を言うと、我が家には「人をダメにするソファ」が2つもある。かなり色あせた我が家の「人をダメにするソファ」その「人をダメにするソファ」のせいで、私はダメ人間になってしまった。
このブログで伝えたいのは、絶対に「人をダメにするソファ」を買ってはいけないということ。私は「人をダメにするソファ」は絶対におすすめしない。なぜなら、私のようにダメ人間になってしまう人たちを増やしたくないからだ。この「人をダメにするソファ」をおすすめしているサイトやブログは無責任とすら思っている。なぜなら、私のようにダメ人間になってしまうことを助長しているのだから。
「人をダメにするソファ」によってダメ人間に堕ちていった私のダメっぷり。
私は長年にわたりこの「人をダメにするソファ」を愛用してきた。我が家には「ジョニオ」という名前のついたちゃんとしたソファもあるのだけれど、リビングにいるときはもっぱら「人をダメにするソファ」に座っている。座っているというよりは、身を沈めているという表現が正しいだろう。我が家の「人をダメにするソファ」は、長年使い込んできたせいでカバーがだいぶヘタってきており、新品のときのマシュマロのような形状から変形し、いまや豆大福のようになっている。そして、毎晩のように豆大福に吸い込まれている。
この豆大福、もとい「人をダメにするソファ」に身を委ねると、もうそこから立ち上がれなくなる。物理的に立ち上がりづらいということもあるが、この「身を沈める」カンジがこの上なく心地よいのである。そう、私は「人をダメにするソファ」にリラックスを求めているのである。「リラックスという悦楽へと誘い、人をダメ人間に陥れる」この代物。これはもう、ドラッグといっしょではないか。知らんけど。
そして私はダメ人間になってしまった。そんな「人をダメにするソファ」によってダメ人間に堕ちていった私のダメっぷりをご紹介しておこう。
・心地よすぎて、テレビを見ながら寝落ちしてしまう。
↓
風呂にも入らず歯も磨かずそのまま朝を迎えてしまう。
・カーペットに直置きしていた缶ビールを倒してしまう。
↓
翌朝ほのかに残るビールの香りで嫁にバレて叱られる。
・このくだらないブログを仕事中に書いている。
↓
いつかバレてクビになるやつ。
というか、そもそもがダメ人間じゃないか。
このように、私のようなダメ人間になりたくなければ、絶対に「人をダメにするソファ」を購入してはいけない。それだけは肝に銘じてほしい。
「人をダメにするソファ」がこんなにも蔓延しているとは。
ある日、この「人をダメにするソファ」を指さしてヨメが言った。
「だいぶへたってきたから新しいのに買い替える?」
ヨメがさらに私をダメ人間にしようとしている。「人をシャキッとさせるソファ」はないのか。「ダメ人間から更生させるソファ」はないのか。と思い、ググってみると、「人をダメにするソファ」しかヒットしないではないか。それどころか
「ダメ人間 人気ランキング」ってなんだ。
「ダメ人間ホイホイ ソファ」とは何事だ。
Googleまでもがこの国のダメ人間化を推し進めているのか。
せめて、人をダメにする効果が少ない、あたらしいタイプのものはないかと調べてみる。いろいろと出てくるけれども、どれもあの「人をダメにするソファ」に似たりよったり。結局、ヨメも無印良品で新しいカバーを買い換えることにするという。それでは私のダメ人間化が進行することに変わりはないというのに。
「人をダメにするソファ」の新しい楽しみ方。
我が家ではときどき友人家族が集まり、ちょっとしたホームパーティーを開催することがある。そのときばかりは「人をダメにするソファ」が、ちょっとしたアトラクションのような使われ方をするのである。それは「人をハンバーガーにするソファ」である。まず、一番下に人、その上に「人をダメにするソファ」、その上にまた人、そしてまた「人をダメにするソファ」を乗せ、さらにその上に人。遠目で見るとまるでマクドのダブルチーズバーガーのよう。「そんなことしたら一番下の人が苦しいじゃないか」と思うかもしれないが、それがまったく苦しくないのである。「人をダメにするソファ」のおかげて、上の荷重が分散され、逆に心地よいのである。そして挟まれている人間は、不思議と笑うしかないのである。私は座り仕事なので週末になると腰が痛くて仕方がない。
そんな時は子どもたちに「人をダメにするソファ」で挟んでもらう。そしてその上に2人で乗ってもらう。これがまた心地よいのである。直に腰に乗ってもらうよりも、上に乗った荷重が適度に分散され、まるで有料マッサージを受けているような気持ちよさが味わえる。そして、挟まれながら笑うしかないのである。もしかすると、マクドのビーフパティも同じキモチなのかもしれない。
また、2つで挟まなくても、うつ伏せになった人の上に「人をダメにするソファ」を乗せ、その上に人に乗ってもらっても同じ効果が得られるので、自宅に「人をダメになるソファ」をお持ちの方はぜひ試してもらいたい。
とはいえ「人をダメにするソファ」の誘惑に負けてはいけない。くどいようだが、「人をダメにするソファ」はほんとうに人をダメ人間にする。私のようなダメ人間になりたくなければ、「人をダメにするソファ」は絶対に買ってはいけない。ダメ人間になってしまった人間からの忠告である。
さてと、今夜も「人をダメにするソファ」に身を沈めて、「金麦」片手に「カラムーチョ」つまみながら、「ドラ恋」でも観よっかな。